2018/10/02
あなたは、今、夢を持っていますか?
今日は、【夢】のお話しをしようと思います。
こういう話はこのブログでは初めて?かな。
熱苦しい記事となりそうなので、苦手な方は[戻る]ボタンをぽちっとしてくださいな。笑
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Contents
競泳オリンピック選考会
誰もが憧れるスポーツの祭典【オリンピック】
今、日本競泳界では4年に1度のその大舞台へのチケットを手にするための
熱い戦いが連日繰り広げられています。
競泳界のオリンピック選手選考方法について、日本水泳連盟HPから一部抜粋。
選考方法
・選考対象大会は第92回日本水泳選手権競技大会とする
・選考会決勝において優勝及び2位で派遣標準記録を突破(同タイムを含む)したものを自動的に選考する
平たく言えば
1461日のうちのたった1週間のこの試合で、予選・準決勝を勝ち進み、決勝戦で派遣標準記録を突破し、上位2名以内に入ること
だから、
例えば準決勝で派遣標準記録を突破していても決勝で切れなかったらオリンピックにはいけないし、
優勝しても派遣標準記録を突破していなかったらオリンピックにはいけないし、
派遣標準記録を突破していても3位だったらオリンピックにはいけない。
こんな厳しい選考、他のスポーツであるのでしょうか…。
本当にシビアで、残酷で、えげつない戦い。
人の人生をたった一週間で狂わせる大会。
4年前
実は4年前のこの大会に、私は選手として出場していました。
大学2年生、初めての挑戦でした。
いつもの全国大会とは違う、何やらピリピリとした雰囲気が感じ取れました。
正直言って自分のレースはあまり覚えていません。
ベストタイムを更新することはできたものの、あまりぱっとしない結果でした。
当然、当時はなんとか選考会へ出場するための標準記録を切れたくらいでしたし、
もちろんまだ準決勝や決勝を狙えるレベルではありませんでした。
ただただ、大舞台の雰囲気にのまれないよう、あの緊張感と戦うので精いっぱいでした。
だけど私が出場した200m平泳ぎに、同じチームの先輩が人生を賭けて挑んでいたのです。
200m平泳ぎ 決勝戦―。
プールからとても近い席で応援していました。
すぐ目の前に、憧れの先輩の背中がありました。
いける!と信じた。
信じ続け、願うことしかできなかった。
タッチして、名前の横に出た数字は“3”
派遣標準記録を突破したものの、
2位との差わずか0.27秒差でロンドンオリンピックへの出場権を逃した先輩。
顔を上げることができなかった。
ただただ涙が止まらなかった。
初めてだった。
大好きな水泳がこんなに残酷だと思ったのは。
選考会後、先輩は“水泳を辞める”と言い張った。
だけど、コーチが許さなかった。
“4年後は行ける”
“お前は絶対に世界の頂点に立てる選手だ”
と言い続けていた。
私が同じチームで現役選手のとき、何度そのやり取りを見ただろう。
“やればいいんでしょ!”
と、先輩が折れたのは最近のことだったように思う。
俺たちの未来には夢と希望しかない
今年2月。
カンボジアに届いたビックニュース。
“理絵さんが7年振りに日本新記録更新!!”
ただただ嬉しかった。
4月の選考会が待ちきれなかった。
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そして迎えた4月8日
女子200m平泳ぎ予選・準決勝。
カンボジアにいる私にとって、後輩からの速報LINEが頼りだった。
…準決勝から他の選手を圧倒させるくらいのタイム。
一人だけとび抜けている。
嬉しくて、ワクワクして、一生懸命自分の教え子にクメール語で説明した。
“同じチームの先輩がね、オリンピックにいけるかもしれないの”
きっと選手たち、あんなに楽しそうにワクワク話す私を初めてみたんだろうなぁ。笑
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そして昨日。
いよいよ決戦の日。
夕方からのNHK生中継放映をみるために万全の準備を整えスタンバイ。
テレビの前で、大学時代のチームユニフォームを着て、そわそわそわそわ。
緊張のあまり吐き気まで…自分のことじゃないのに…
現地に応援に行っている先輩と連絡を取り合い、緊張感の共有。笑
“カンボジア支部は任せた!”
と、金藤理絵さんカンボジア支部応援隊長に任命。
そして始まった決勝戦。
ただただ信じ、願う。
4年前と同じだ。
カンボジアの大都会、プノンペン中心部のとある家で
一人大声をあげ応援する私。
どんなに叫んでも声は届かないだろう。
でも、想いはきっと届く。
100m折り返した時点で、ほぼレース独占状態。
“いける”
その文字だけが頭に浮かんだ。
涙でテレビの画面がかすんだ。
だけど、タッチした瞬間、はっきりとみえた。
2分19秒65 日本新記録 優勝
日本人女子初めての2分19秒台。
素晴らしい記録です。
一人で声を上げて泣きました。
本当に嬉しかった。
ただただ感動した。
他人をここまで感動させられるってなかなかないでしょう。
こんなに夢と希望を与えてくれた瞬間が他にあったでしょうか。
“俺たちの未来には、夢と希望しかない!!”
加藤コーチがよく口にしていた言葉。
間違いない。
本当に夢と希望しかないんだ。
”夢を持つ”ということ
小さい頃の夢…
“オリンピック選手になりたい”
いつからその夢をただただ眺めるだけになってしまったのだろう。
いつからその夢を口にすることがなくなったのだろう。
あのころ描いた夢を、10年後、20年後、
どれだけの人が実現できるのだろう。
実現できるかできないかの前に、
どれだけの人がその同じ夢を持ち続けられるのだろう。
私は、選手としての夢を諦めたから、2014年の9月に、幼い頃描いた私の夢への挑戦は終わった。
すべてが終わった瞬間、ぽっかりした。
もう毎日きつい練習をしなくていいし、
もう遊びたいときにいつでも遊べる。
だけど、つまらなかった。
たった23年しか生きてきてないけれど、でも、夢がない人生なんてつまんないと思った。
それは、いつも夢がすぐ近くにある世界で生きてきたから。
夢のある人しか集まらない世界にいたから。
その世界しか知らなかったから。
でもそれって、当たり前じゃなかったんだ。
スポーツは、
人を【感動】させられる、
【感】じて、【動】かせられる。
引退して約1年かけて探してみつけた、新しい夢。
自分がその世界にいるときには気が付けなかった。
スポーツには、無限の可能性がある。
スポーツには、世界を変える力がある。
“諦めない夢は終わらない”
さぁ、今日も頑張ろう!!
理絵さん、加藤コーチへ
理絵さん、加藤コーチ、
夢を、希望を、感動を
本当に有難うございました!!
まだまだ終わらぬ“夢への旅路”を
これからもずっとずっと応援しています!!