2018/10/02
第一話からかなり時間が空いてしました…。
続編を楽しみにして下さっていた皆さん、大変長らくお待たせ致しました!
【夢スパ】第二話、ペースクロック作成物語です!
必死の思いでペースクロックを作り上げたものの、わずか1週間という短さでこの世を去ったペースクロック一号。
心の穴を埋めるべく、新たに代わりのペースクロックを作成するために私は街を歩き回った。
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Contents
決戦の地@市場
前回の失敗を糧に、
-防水機能のついた時計
-モーターの力が強い時計
この二点をポイントとして、プノンペン内の時計屋さんを周り、拙いクメール語で必死に聞きました。
“水に濡れても大丈夫なやつ!”
“モーターが強くて秒針がカチカチしないやつ!”
“時計の形はなんでもいいから!!”
時計屋さんも、こんな外国人を相手するのは初めてだったことでしょう。
“このデザイン、きれいでしょ??”
“あなたのお部屋にはきっとこれが合うわ”
そんなのどーでもええねん!!!
“私は、これ(モーター)だけ使うの!!
だからデザインはなんでもいいの!”
“とにかく強いやつ!!強くて強くて強いやつ!!!!”
店員さんもちゅろろーむ(混乱している)状態。
そりゃそうだ。
見た目はカンボジア人のくせに、“ニアリッカー(時計)クラン(つよい)”という、意味のわからないクメール語を連呼する外国人が来たんだもん。
店員さんも意味がわからないらしく、半ギレ状態。
こっちは必死。
隣のお店のおばちゃんまで出てきた。
なんか話してる。
そのおばちゃんに向かっても“強い時計”という意味のわからないクメール語を連呼し、モーターを指さして“これ!これが強いやつがいいの!!”と言ったら、やっと通じた…?!
“あんたこれがほしいのね?!”
と、おばちゃんが取り出したのはなんと時計のモーターだけ既に外されたもの。
“そう!!これ!これだけで売ってくれるの?!”
と聞いたところ、もちろんよ!との答えが。
しかし、私は確認しなくてはいけない。
“この時計は水に濡れても大丈夫?プールサイドで使うの。すぐ弱くなったりしない?強い??”
“大丈夫大丈夫!おっぱにゃはー!!(No probrem)”
満面の笑みでそう答えたおばちゃん。
よし、そこまで言うなら、このおばちゃんを信じよう。と、購入を決意。
まいどありー♪と、笑顔のおばちゃん。
おばちゃん、ありがとね。
私また頑張るからね。
と、思いを込めて“オークン(ありがとう)”。
さぁ、短き命だった先代の分まで、二代目のお前は逞しく生きるんだぞ。
再び立ちはだかる壁
ここからがペースクロック作りの醍醐味。
「秒針の延長」
苦戦した前回よりかは要領もよかったものの、やはりこの微調整が大変。
40、41、42、43、、、、、
、、48、49、50、、、
ぴゅーーーーーん。逆戻り
……でもなんだか、こんな状況も楽しくなってきて、
こうしてる自分におかしくなったり、
私の職種は一体なんなんだろう?と考えたり、
それでも、こうしてがむしゃらに“動く”ことはやはり楽しいなぁと感じ。
そんなことを感じ、考えながら、
ぺースクロック二代目モーター完成!!(今度はちゃんと動いてます)
さぁ、また今日からこいつと頑張るぞー☆
諦めなければ夢は叶う
使い始めて3日目。順調です。
選手たちも大分時計の読み方がわかって慣れてきました。
1週間。引き継ぎ順調。
ショートレスト(短い休み時間しか与えない練習)もどんどん増やしました。
とある選手から、
“ニャックルー、ボクこの時計に追われるのが怖いw”
と言われ、もうこっちはルンルン♪笑
この調子でもっともっと追い込め追い込め♪
2週間後。
あれ、なんかちょっと調子が悪い。
所々止まる。電池切れかな、と思い、電池交換。
うーん、ちょっと良くなったけど、、、
不安が積もります。
その数日後。
ペースクロックを選手たちが片付けようとしてくれました。
と、その瞬間。
カシャン。(モーターが床に落ちる音)
………水の中じゃなくてよかった、、、
あの悪夢が蘇るところだっ……
……?!
拾い上げたそのモーターを見て、震えました。
……秒針が折れてる
びょ、秒針くらい、接着剤で止めれば、、、なんとか、、、なるよね、、、
応急処置。
接着剤で止める。
固まったところで、再び電池を入れて再稼働………
………しない
落ちた衝撃で壊れたのか…
そこで浮かんだのがあのおばちゃんの笑顔。
注意:イメージです
……あれだけ強いのって言ったじゃんかーー!!!!!!
落ちただけなのに!!秒針折れて!!しかも!!!動かないなんてええええぇええ!!!!!
・・・・・・
その場で跪き、またあのやり取りを思い出す。
注意:イメージです
そして思った。
そうだ、私は、“水に強いか”は聞いたけど、
“衝撃に強いか”は聞いてなかったな。
そっか。
おばちゃん、嘘ついたわけじゃない。
50cmの高さから落ちるなんてきっと想像してなかった。
だからきっと“強い”って言ったんだ。
“強さ”の基準は、人それぞれ。
みんな違って、みんないい。
そう、私とおばちゃんの“強さ”の基準は違ったんだ。
それでもいいじゃないか。
そう、そうだ、そうなんだ、けど、、いや、、なんか、、、もう、、、、
……
今日も私は
雨にも負けず 風にも負けず
水没にもモーターの落下事故にも負けぬ
折れないこころを持ち
ただひたむきに可愛い可愛い選手たちと共に
夢に向かって歩みを止めない
諦めない夢は終わらないと信じて。
(続く)
次回予告
次々と命を落とすペースクロックたち。
どんどんいなくなる仲間たちに肩を落とす日々。
そんなある日、この大ピンチを救う救世主が?!
次回、【夢スパシリーズ ペースクロック編最終章】
乞うご期待!!
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